スキルアップ>技術士補H19>2-1〜
2-5
次の事例は実際にあった事件をヒントに、創作したものである。この事例において、一級建築士X氏の行動として考えられるア)〜オ)の記述について、倫理的に正しい行動を○、正しくないものは×として、適切な組合せを(1)〜(5)の中から選べ。
ある日、一級建築士X氏にA設計社のY所長から電話が入った。X氏には、一つ気がかりなことがあった。それは、A設計社から請け負ったマンションの耐震設計で、地震荷重を間違え、小さい値を使ってしまったことだ。そのため鉄筋量が必要量より少なくなってしまった。しかし、プロが見ればすぐ気付くはずなので、A設計社から訂正の指示が来た時に、やり直せばいいと思っていた。
「以前に頂いたマンションの耐震設計の件でしょうか。」と、X氏が間くと、Y所長は
「そのマンションはすでに完成して、来月から入居がはじまるよ。あのマンションではなく2週間前にやってもらったホテルの耐震設計の件だ。もう少し経済設計はできないのかね。‥‥]
気がかりだったマンションが完成し、入居がはじまることを知り、X氏はすっかり驚き、ホテルの話は上の空で、「私は、どうしたらいいのだろうか。‥‥」と悩んだ。
一級建築士X氏の行動として考えられるもの
ア)Y所長に強度不足を説明した。しかし、入居は予定通り行われようとしていたので、マンションの強度不足を検査機関へ通報した。それでも、事態は変わらないので国に通報する。
イ)Y所長に強度不足を説明した。しかし、入居は予定通り行われようとしていたので、マンションの強度不足を検査機関へ通報する。
ウ)マンションの強度不足は自らの誤りに原因があるので、Y所長にそのことを説明する。
エ)マンションの強度不足は自らの誤りに原因があるので、Y所長にそのことを説明する。しかし、それから先は自らの責任ではないので、事態の推移にかかわらず一切この件には口を出さないこととした。
オ)誤りを見過ごしたのはA設計社であり、A設計社の責任なので、Y所長にも何も説明しない。
ア…イ…ウ…エ…オ
(1) ○ × × × ×
(2) ○ ○ × × ×
(3) ○ ○ ○ × ×
(4) ○ ○ ○ ○ ×
(5) ○ ○ ○ ○ ○
解答例